それはクリスマスも近いちょうどこの時期でした。
近所の集会場でパーティがあるというので悪友と出かけていきました。
すると、何だか髪の長いお兄さん達が現れてバンドの演奏を始めました。
とにかく初めての経験・・・うまいのか下手なのか全然わかりませんでしたが
その音圧にめっちゃくちゃビックリし、その当時流行っていた言葉ではないですが
「しびれ」てしまいました。
 悪ガキ達は「お!これはかっこいい!もてるかも???」という間違った考えを
抱き、バンドをやろう!ということになったのであります。
 その時に聞いたバンドはあとで知ったのですが、ベンチャーズをやっていました。
自分達もベンチャーズのレコードを人から借りたり借りたり(結局自分では買ってない)
して毎日ポータブル・プレイヤーに乗せて聞きまくりました。
 さて、問題は楽器の編成と調達です。編成はジャンケンで決め、なんとろば少年は
ベースを弾く事になりました。楽器は中学生になりたての少年達に、特に田舎では
バイトなんてありません。結局1ヶ月ほど我慢していい子にして、親に買っていただきました。
 それからがなかなか忙しくなりました。とにかく初めて触る楽器で何もわからない・・・
とにかく一生懸命練習しました。まだ野球も毎日部活の練習がありましたし、本業の
勉強も付き合い程度にやらなきゃならない・・・練習も今のようにスタジオなんか
あるわけもなく、メンバー各自の家へ集まり、親にいやな顔をされながらやっておりました。
 あっというまに3年間が過ぎ、最後のクラス会があり、そこで初めてのライブをやることに
決まりました。ただドラムを使うのは学校側が許してくれず、結局ドラムレスでベンチャーズ
の曲をやったのですが、結果は・・・・・・「変チャーズ」でした。
 という事で高校は各自バラバラになったので、このバンドはこれで終わりとなりました。
次回は今なら全国ネットでニュースになってしまう事件が起こる高校生編です。